定着!はったつさんについて

アプリの目的
「発達障がい」「発達凸凹」。最近よく耳にする言葉ではないでしょうか?発達障がい者のことを、このコンテンツでは「発達(はったつ)さん」と呼ぶことにします。
たとえば、人とのコミュニケーションが苦手だったり、物忘れや同じミスを繰り返してしまったり、自分の行動や気持ちとうまく折り合いがつけられなかったりなどなど……周囲から「変わっている人」「不思議ちゃん」などと思われる人、会社の中にもいませんか。そんな人は、「隠れ発達さん」の可能性があります(もちろん個人差などもあり、一概に言えませんが)。
2018年の「障害者雇用促進法」改訂にともない、社会で「発達さん」が活躍する機会が今後増えていきます。実際に「発達さん」を会社のパワーとしている企業が増えています。しかしながら、一方で、せっかく勤めてもらったのに、途中で「発達さん」が辞めていった企業の数も少なくありません。
「定着!はったつさん」では、企業の方に「発達さん」の行動パターンを理解して、その名のとおり「発達さんに企業に定着してもらう」ことを目的にしています。
「定着!はったつさん」で「発達さん」の長所と短所を理解して、「会社に長く定着してもらい、パワーとなってもらう」手法について理解を深めることにしましょう。
「発達さん」が会社に必要な時代になっています
団塊の世代が職場から去り、たくさんのベテランたちがこなしていた仕事を少ない人数で負わなくてはいけなくなっている現在の私たち。「人手不足」は日本社会全体が抱えている問題です。
このような人口構造の中、障がい者は、女性や高齢者とともに、社会が「働きやすさ」を考え、社会を維持するために「必要」な存在になってきました。いわば「ダイバーシティ」が先進的な戦略だった時代は終わり、成長したい・今の事業を維持したい企業には多様な人財の受け入れが必須のイノベーション戦略になっているのです。
「発達さん」は「発達凸凹」と呼ばれるように、得意なことと苦手なことに開きがあることが特徴です。苦手なことだけを見てしまうと、「障がい」「ハンディキャップ」かもしれませんが、得意なことを任せてみると一般の労働者(このコンテンツでは発達障がい者以外を「定型発達者」=「定型さん」とよびます)よりもパワーを発揮することも少なくありません。
英米の企業では、発達さん(ASDタイプ)が長所としてしばしば持っている「強い分析力と問題解決への論理的アプローチ力」を買い、プログラマとして彼らを積極的に採用して成果を上げています。定型さんと異なるタイプだからこそ、あえて得意の分野、つまり「強み」を発揮してもらえる仕事を任せて、会社のパワーとしています。
このようなイノベーションは国内企業でも行われています。ぜひ「発達さん」の長所を見つめてあげてください。安心してください。心配されているより、ずっと楽しいはずです。
発達さんと「ルール決め」
「発達さん」の雇用は、定型さんに比べると、手間がかかるかもしれません。その手間がかかるという理由は、この国にある「空気を読め」や「話さなくてもわかるはず」という暗黙のルールの存在に起因しています。
我が国の企業では、長く「多様性(ダイバーシティ)」を受けいれる必然がありませんでした。「一様性(多様性の逆のこと)」により、わが国の慣習を含めて、企業独自の風土や歴史からくる「ルール」を、自然と理解することを望まれた経緯があります。定型さんはこれらの行為を、親の顔を見て、感情や状況の空気を読む子供のように、時間をそれなりにかけて習得してきました。
しかし、「発達さん」の中には「暗黙の了解」や「空気という同調圧力」を理解することが苦手な方が多くいます。そんな「発達さん」を受け入れるためには、「暗黙の了解」ではなく、「明解なルール」を明文化する必要があります。就業時間の5分前には席に着くこと、休憩時間を必要以上にオーバーしないこと、職場から帰るときに「お先に失礼します」とあいさつすること……当たり前と思っていることが、しばしば「言われてないからわからない」と考えてしまうのが「発達さん」の特徴の一つです。
「発達さん」にはまず業務ルールの明確化が必須になります。それが面倒と思われることもあるかもしれませんが、ルール明確化は会社業務、あるいは社会全般において、今後多様な人財を採用する準備として、さまざまの発展の機会をもたらしてくれるでしょう。