用語説明

  • 発達さん

    発達障がい者のことです。発達障がいは、たくさんの種類が報告されてきましたが、ここ数年で「ADHD(注意欠如・多動症)」「ASD(自閉スぺクラム症)」「LD(学習障害)」の3種類の診断名(特性のグループ)に分類されるようになってきました。たくさんの種類に見えるのには、3種類の特性の組み合わせによるもの、と考えられていて、他の障害のように1つの種類で説明できることのほうがむしろ少ないように思われます。

    知的障がいと発達障がいを併せもつ人がいる一方、高い学歴を持っていながら、コミュニケーション能力が高くなく、社会で実力を発揮できない発達障がいのケースもあります。一方、周囲の環境に恵まれることで、発達さんは歴史的な活躍をすることがあります。

    現在、発達さんの可能性があるとされた児童の割合は6.5%(※)で、その他調査により全人口の1~11%と言われていますが、今後、障がい認知の向上により、潜在的比率が顕在化するともいわれています。
    (※発達障害児の割合文部科学省により2012年に全国の公立小中学校で約5万人を対象にした調査結果で、“発達障害の可能性のある”とされた児童生徒の割合です)

  • 定型さん

    一般に発達さん以外の方、つまり一般の人のことを「定型発達者」と呼びます。能力が規格外である発達さんに対して、社会の規格に合っている=「定型」である、という意味で使われています。このコンテンツでは発達さんに合わせ「定型さん」と表記しました。

  • ブラザー・シスター

    ブラザー・シスター

    発達さんを担任する先輩。「ジョブコーチ」とも位置付けにもなります。「この人になら何を相談してもいい」「プライベート(と本人が思っている)ことを相談しても大丈夫」という相手がいると発達さんは安心します。利害関係の少ない先輩が一般的ですが、発達さんの相談しやすさに合わせて、同期だったり、年下だったり、上司でも構いません。

  • 発達障がい

    発達障がいとは、あえて誤解を恐れずにおおざっぱに言えば、生まれつきの脳機能のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)に、その人が過ごす環境や周囲の人との関わりのミスマッチによる「適応障がい」が加わることで発生する「社会生活の困難」障がいのことです。

    人間誰しも、得意なことや不得意なことがありますが、その中でも、アンバランスさを持つ「発達凸凹」の方は、認知(知覚・理解・記憶・推論・問題解決などの知的活動)の能力における、それぞれの高低差が非常に大きい傾向にあります。医学的に定められた診断基準をもとに、精神科・心療内科・小児神経科などで診断されます。

    他の多くの人と比べて、異なる物事の感じ方や考え方をすることが多くあるため、勉強や仕事の理解や進め方、注意の集中や持続の偏り、対人関係でのすれ違いなど、生活に支障をきたしやすいのです。発達障がいを理解する上での難しさは、その障がいが見た目で分かりにくく、他の人が、極端な発達のアンバランスさを体感ができないことにあります。発達さんは苦手な課題について人一倍努力していることが多いので、「努力不足だ」などと言うことは発達さん本人を傷つけることがあります。

    現在、発達障がいは、大きくいうと、
    ASD(自閉スペクトラム症)、
    ADHD(注意欠如・多動症)、
    LD(学習障害)
    の3タイプのに分類されています。この3つのタイプはそれぞれに重複する場合も少なくないことも知られています。

    発達障がいは、福祉制度的には、知的な遅れを伴う場合には知的障がいに区分※され、そうでなければ精神障害に区分されます(福祉制度的にはそのどちらにもあてはまらない方もいらっしゃいます)。後天的に、うつ病・双極性障がい(躁うつ)・不安障がいといった精神疾患を、2次障害として患うケースも少なくありません。

  • カクテルパーティー効果

    カクテルパーティー効果

    「選択的注意」というのはたくさんの情報の中から自分に必要な情報だけを取り出す能力です。これは「カクテルパーティ効果」とも呼ばれ、会話がたくさん飛び交う騒がしい場所でも1つ聞き取りたい会話があれば意識することで聞きとれることができる、というものです。

    ASDの方はカクテルパーティー効果が働きにくく、ガヤガヤとした環境の中にいると、すべての音が耳に入ってきてしまうために、必要な情報や相手の声に集中することができません。

  • ノンアサーティブ

    「アサーティブ」とは自分も相手も大切にした自己表現です。お互いの調整を前提とした考え方です。

    「ノンアサーティブ」はアサーティブの否定形で、「非主張型自己表現」と呼ばれます。一見、相手に配慮しているように見えますが、相手に対して率直でなく、何より自分自身を抑えているので自己に対して正直ではありません。
    言いたいことを我慢して心の中でブツブツ言ったり、別の人に不平を聞いてもらう、というような態度です。ですから、不満(ストレス)が溜まり、ある日とつぜん爆発、ということになりかねません。

  • ワーキングメモリ

    ワーキングメモリ(working memory:作業記憶・作動記憶) とは,短い時間に心の中で情報を保持し、同時に処理する能力のことを指します。 会話や読み書き、計算などの基礎となる、私たちの日常生活や学習を支える重要な能力です。ワーキングメモリの容量には限界があり、あまり多くのことを記憶しようとすると端から忘れていってしまいます。発達さんは、この要量が少ない特徴があるといわれています。